座位で脚と腕を深く組み合わせるポーズです。股関節・肩まわりを同時に開き、体の左右差を観察する一助となることがあります。長時間の座り仕事や肩こりを感じやすい方に役立つ場合があります。
基本情報(クイックガイド)
- サンスクリット:Gomukhasana
- 英語:Cow Face Pose
- 分類:座位/股関節オープナー/肩ストレッチ
- レベル目安:中級
- 時間の目安:片側3〜5呼吸 × 1〜2セット
- 主なねらい:
- 股関節の柔軟性を高める
- 肩甲骨まわりの可動域を広げる
- 座位の安定と集中を養う
- 姿勢改善の一助
- 必要に応じて:ブロック/ブランケット/ベルト
やり方(5ステップ)
- 座りの準備
床に座り、両脚を前に伸ばします。骨盤を立て、背筋を伸ばしましょう。 - 脚を組む
右膝を曲げて左脚の外側に置き、さらに左膝も曲げて右膝の下に差し入れます。両膝が縦に重なるようにし、かかとは左右の腰の外に置きます。 - 上半身と腕の準備
右腕を天井に持ち上げ、肘を曲げて背中に回します。左腕は下から背中に回し、両手をつなぎます。届かない場合はベルトをつかみます。 - 姿勢を整える
背骨をまっすぐに伸ばし、胸を開きます。視線は正面に穏やかに向け、肩がすくまないよう注意します。 - 保持と解き方
3〜5呼吸キープ。解くときは腕をほどき、脚を前に伸ばして休み、反対側も行います。
余裕があれば:前屈して股関節の伸びを深める、保持時間を少し延ばすなど。
ポイント(うまくいくコツ)
- 骨盤は左右均等に床へ下ろす
- 膝は無理に重ねず、心地よい位置で調整
- 背骨は丸めず、胸を開く意識
- 手が届かない場合はベルトでつなぐ
- 首はリラックスさせ、顎を引いて安定させる
- 呼吸を止めず、ゆったりと続ける
よくあるミスと直し方
- 膝が強く浮く → 無理に重ねず、ブランケットを下に敷く
- 背中が丸まる → 骨盤を立て、腰の下にブロックを置く
- 手が届かず肩が痛む → ベルトを使って距離を補う
バリエーション
やさしめ
- 座布やブロックに腰を乗せて膝への負担を軽減
- 腕は片側ずつストレッチ(上だけ・下だけ)でも可
- 脚はあぐらのまま、腕だけゴムカーサナにする
チャレンジ
- 上体を前に倒して股関節を深める
- 長めにキープして集中力を養う
- 両腕を組んだまま軽いツイストを加える(無理は禁物)
禁忌・注意
- 膝や股関節に痛みがある場合は避ける
- 肩の故障中は腕の組みを控える
- 妊娠中はお腹を圧迫しないよう脚の重なりを緩和する
- 不快感や痛みが出たらただちに中止し、必要に応じて医療専門家へ。
本記事は一般的なヨガ情報であり、医学的効果を保証するものではありません。
道具の使い方(安定アップ/感覚づくり)
- ブランケットをお尻の下に敷き、骨盤を立てやすくする
- ベルトで両手をつなぎ、肩を無理なく伸ばす
- 膝の下にブロックを置き、過度な圧迫を防ぐ
終わり方とカウンターポーズ
- 解く際は脚を前に伸ばして揺らし、肩も回してリリース
- 推奨カウンターポーズ:前屈(パスチモッターナーサナ)、仰向けで膝抱え(アパーナーサナ)
5分ミニシークエンス(中級)
- 0:00–0:40 軽い肩回し・股関節ほぐし
- 0:40–1:40 右脚前のゴムカーサナ
- 1:40–2:40 左脚前のゴムカーサナ
- 2:40–3:40 腕だけゴムカーサナ+深呼吸
- 3:40–5:00 前屈 or アパーナーサナでクールダウン
よくある質問
Q. 膝が重ならないのですが効果はありますか?
A. 膝が重ならなくても、股関節や肩まわりにやさしい伸びを感じられれば十分です。
Q. 手が全く届きません。やらない方がいいですか?
A. ベルトやタオルで補助すれば無理なく取り組めます。
Q. 長時間座ると足がしびれます。大丈夫ですか?
A. 正座やあぐらでもしびれることがあります。痛みや強いしびれを感じたらすぐに解いてください。
関連ポーズ(次に試したい)
- 鷲のポーズ(ガルーダーサナ)
- 鳩のポーズ(エーカパーダ・ラージャカポタ)
- 半魚王のポーズ(アルダ・マツェーンドラ)
- 合せきのポーズ(バッダ・コーナーサナ)
- 前屈(パスチモッターナーサナ)
まとめ
牛面のポーズは脚と腕を組み合わせて、股関節と肩を同時に深めるユニークな座位です。形にこだわらず、自分の体に合った道具やバリエーションを取り入れながら、呼吸と共に少しずつ進めていくことが大切です。