肩と二の腕を集中的に伸ばす、牛面のポーズの「腕だけ」バリエーションです。
デスクワークで肩がこりやすい方、胸が縮こまりやすい方の姿勢改善の一助となる場合があります。
基本情報(クイックガイド)
- サンスクリット:Gomukhasana(腕の形)
- 英語:Cow Face Arms
- 分類:座位/肩・上腕のストレッチ
- レベル目安:やさしめ〜中級
- 時間の目安:片側5〜8呼吸 × 1〜2セット
- 主なねらい:
- 肩関節(内旋・外旋)のバランスづくり
- 上腕三頭筋・広背筋・肩周りの伸長
- 胸郭の拡がりと呼吸のしやすさ向上の一助
- 猫背傾向のリセット
- 必要に応じて:ベルト(タオル代用可)/ブロック/壁/椅子
やり方(5ステップ)
- 土台と姿勢を整える
楽な座位(あぐら・正座・椅子)で坐骨を均等に。背骨を長く、下腹を軽く引き入れ、自然呼吸を数回。 - 上の腕をセット
右腕を天井へ伸ばし、二の腕を**外に巻いて(外旋)**から肘を曲げ、手のひらを肩甲骨の間へ。肘は前に通してから上へ立てる。 - 下の腕を背中へ
左腕を横→後ろ→下へ回し、肘を曲げて手の甲を背中に。肩をすくめず、指先を上へスライド。 - 手をつなぐ/ベルトを使う
指をからめるか、ベルトの両端をつかむ。上下の肘ができるだけ縦一直線になるよう調整。吸う息で胸の側面を広げ、吐く息で肩甲骨をやさしく下げる。 - 保持と解き方
視線は正面または軽く下。5〜8呼吸キープ。解くときは先にベルト(指)を離し、両腕をほどいて肩回し。反対側も同様に。
余裕があれば:上の肘をわずかに天井方向へ引き上げて胸を広げる、または上体をごく軽く側屈して伸びる位置を探ります(無理はしません)。
ポイント(うまくいくコツ)
- 坐骨を均等に下ろし、骨盤は中立。
- 下位肋骨は前に突き出さず、みぞおちを背骨へ軽く寄せる。
- 上の二の腕は外旋、下の二の腕は内旋を意識。
- 肩甲骨は「下げて・広げて」首まわりを空ける。
- 上下の肘はできるだけ縦ライン上へ(無理には揃えない)。
- 後頭部をやや後ろに引き、顎を軽く引いて首長く。
- 呼吸キュー:吸う=胸側面を広げる/吐く=肩・背中の余分な力みを手放す。
よくあるミスと直し方
- 腰が反って肋骨が前に出る → みぞおちを背骨へふわっと引き、下位肋骨に「やわらかいベルト」を巻くイメージで中立へ。
- 届かせようとして肩をすくめる → ベルトを長めに持ち、まず肩を耳から遠ざけてから徐々に距離を短く。
- 上の肘が外へ流れる → 上腕を一度外旋して肘を前に通してから上へ立て直す。
バリエーション
やさしめ
- ベルト(またはタオル)使用で手と手の距離を確保。
- 下の手は腰に添えるだけ(背中へ無理に上げない)。
- 壁に背中を軽くつけて、肘の縦ラインを感覚化。
- 椅子座位で実施し、骨盤の安定を優先。
チャレンジ
- ベルトなしで指をキャッチ(痛みゼロが大前提)。
- 脚も組んだフルの牛面のポーズに腕を合わせ、上体をわずかに前屈(背中は長く)*膝や腰に違和感があれば中止。
- 上体をごく軽く側屈して、広背筋の伸び感を探る(首・肩の詰まりは避ける)。
禁忌・注意
- 肩の急性炎症、腱板損傷・脱臼歴の急性期、上腕二頭筋腱炎、肘関節の痛み、頚椎に症状がある場合は控えるか大幅に軽減します。
- しびれ・鋭い痛み・違和感が出たらただちに中止。必要に応じて医療専門家へ相談してください。
本記事は一般的なヨガ情報であり、医学的効果を保証するものではありません。
道具の使い方(安定アップ/感覚づくり)
- ベルト:上の手が上端、下の手が下端を持ち、吐く息で肩甲骨を下げながら少しずつ距離を詰める。目標は肘の縦ラインであって、「手をつなぐこと」ではありません。
- 壁:背中を壁に当て、頭・背中・骨盤の3点を軽くタッチ。肘が横に逃げにくく、首のスペースを保ちやすい。
- ブロック:座面を高くして骨盤を直立させる。腰の反り過ぎを防ぐ。
- 椅子:椅子座位で同様に実施。足裏を均等に踏み、骨盤の中立と首のスペースを優先。
終わり方とカウンターポーズ
- ベルト(指)を離し、両腕をほどいて肩・首をやさしく回します。数呼吸、自然呼吸で余韻。
- おすすめカウンターポーズ:
- **ワシの腕(ガルダーサナの腕)**で肩甲骨の外転を促す。
- **子犬のポーズ(アナハターサナ)**で胸を開き、前側の伸びをバランス。
5分ミニシークエンス(初心者)
- 0:00–0:40 座位で肩回し+胸式のゆったり呼吸
- 0:40–1:40 右・牛面の腕(ベルト使用可)
- 1:40–2:40 左・牛面の腕(ベルト使用可)
- 2:40–3:40 ワシの腕(左右各3〜4呼吸)
- 3:40–5:00 子犬のポーズ → 姿勢を戻して2〜3呼吸で締め
よくある質問
Q. 手が全く届きません。効果はありますか?
A. 距離があっても、ベルトで痛みなく保持できれば肩周りの伸びや胸郭の拡がりに役立つ場合があります。手をつなぐこと自体は目的ではありません。
Q. どこに伸びを感じればよいですか?
A. 個人差はありますが、上腕三頭筋・広背筋・小円筋、胸の側面などに心地よい伸びを感じることが多いです。鋭い痛みや関節の不快感は中止のサインです。
Q. どのくらいの頻度で行えばいいですか?
A. 日常のケアとして1日1〜2回、片側5〜8呼吸が目安です。長時間の座り仕事の合間に数呼吸だけ行うのも負担が少なく続けやすいです。
関連ポーズ(次に試したい)
- 牛面のポーズ(Gomukhasana/脚も組むフルバージョン)
- ワシの腕(Garudasana Arms)
- リバース・ナマステ(合掌の逆手)
- 針の糸通し(スレッド・ザ・ニードル)
- 子犬のポーズ(アナハターサナ)
まとめ
牛面の腕は、形を追うより首と肩のスペースと静かな呼吸が鍵です。届かない日は道具を使い、痛みの手前でやさしく続けることが、肩の健やかさにつながる一歩になります。