仰向けで行うやさしいねじりです。背骨や腰まわりのこわばりをほどき、リラックスに役立つ場合があります。
長時間の座り姿勢後や就寝前のクールダウンにも向いています。
基本情報(クイックガイド)
- サンスクリット:Supta Matsyendrāsana(別名:Jathara Parivartanāsana のやさしいバリエーション)
- 英語:Reclined/Supine Spinal Twist
- 分類:ねじり/回復系(軽い前後屈要素も含む)
- レベル目安:やさしめ(初心者〜)
- 時間の目安:片側3〜8呼吸 × 1〜2セット
- 主なねらい:
- 背骨・腰背部・殿筋群のリリース
- 肩胸の開きと呼吸の拡がり
- 自律神経の切り替えの一助
- 骨盤周囲のバランスづくり
- 必要に応じて:ブロック/ボルスター/ブランケット/壁
やり方(5ステップ)
- 仰向けで準備
膝を立て、両足は腰幅。吸って背骨を長く、吐いて肩甲骨を床へ沈めます。両腕は肩の高さでT字、または手のひらを天井に向けます。 - 膝を胸へ引き寄せる
吸って両膝を胸へ。尾骨を軽く前へ伸ばし、腰の詰まりを避けます。首は長く、顎は軽く引きます。 - ゆるやかに倒す
吐きながら両膝を右へ倒します。骨盤ごとコロンと転がす意識で、左肩は床へ。膝の下にブロックやボルスターを入れて高さを調整してもOKです。 - 上半身を開く
吸って胸を横に広げ、吐いて肩甲骨を床へ沈めます。視線は天井、余裕があれば左手の方へ。呼吸のたびに脇腹や肋骨の広がりを感じます。 - 保持と解き方
3〜8呼吸。みぞおち周りのゆるみを感じ、不快感があれば浅めに戻します。解くときは吸いながら膝を中央へ、足をほどいて一度ニュートラル。反対側も同様に行います。
余裕があれば:膝を少し上に(胸側へ)引いて仙骨の負担を減らす/上側の膝を伸ばしてハムストリングの軽い伸びを加える/保持を10呼吸程度に。
ポイント(うまくいくコツ)
- 土台は「肩甲骨」。肩が浮くならねじりを浅くし、支えを使う。
- 膝は「床に付ける」より「腰が楽」を優先。高さ調整で心地よさを作る。
- 骨盤は倒す側へ素直に転がし、腰のねじり過多を避ける。
- みぞおちから胸に呼吸を入れ、肋骨を扇のように広げる意識。
- 首はリラックス。視線は天井→余裕があれば反対側の手へ。
- お腹を固めない。吐く息でわずかに深層部がほどける感覚を探す。
- 左右差は「悪い」ではなく情報。浅め・支え多めで整える。
よくあるミスと直し方
- 膝を床へ押し付けて腰が詰まる → 支えを入れて高さを上げ、「肩が床・腰は楽」を優先。
- 肩が浮いて首がつらい → ねじりを半分に戻す/上腕を斜め下へ置き肩甲骨を沈める。
- 視線を無理に反対へ向けて首が緊張 → まずは天井を見る。余裕が出たらゆっくり側方へ。
バリエーション
やさしめ
- 膝の下にボルスターを入れ、太もも〜すねを全面サポート。
- 片膝だけ倒し、もう片方は立てておく(腰が敏感な時に)。
- 足を揃えず、上の膝を少し下げて骨盤のねじり角度を減らす。
チャレンジ
- 上側の脚をまっすぐ伸ばし、足首をフレックス(ハムの軽い伸び)。無理はしない。
- 両腕をバンザイにして胸郭の拡がりを強調(肩が浮くなら中止)。
- 呼吸数を増やし、吐く息ごとに1mmずつ「力みを手放す」探求。
禁忌・注意
- 急性の腰痛、椎間板症、仙腸関節痛がある場合は深いねじりを避け、医療専門家の指導のもとで行ってください。
- 妊娠期はお腹を圧迫しない浅いねじり・側臥位のリストラティブを選択。無理は禁物です。
- めまい・しびれ・鋭い痛みが出たらただちに中止し、必要に応じて医療専門家へ。
本記事は一般的なヨガ情報であり、医学的効果を保証するものではありません。
道具の使い方(安定アップ/感覚づくり)
- ボルスター:倒す側の膝〜すねを全面支持。腰背部の過伸展を予防。
- ブロック:膝の下に縦置きで高さ微調整。左右差の是正に。
- ブランケット:肩の下に薄く敷き、肩甲骨が床へ馴染みやすい角度に。
- 壁:足裏を壁に当ててねじり角度を固定し、呼吸に集中。
終わり方とカウンターポーズ
- ねじりを解いたら、**両膝抱え(アパナーサナ)**で腰を中立に。
- その後、橋のポーズ(セツバンダの軽いバリエーション)や仰向けでの全身伸びで前後方向を整えるとスッキリします。
5分ミニシークエンス(対象:初心者)
- 0:00–0:40 仰向けで全身伸び→膝立て→呼吸整え
- 0:40–1:40 右向きの仰向けねじり(支えあり)
- 1:40–2:40 左向きの仰向けねじり(支えあり)
- 2:40–3:40 両膝抱え(アパナーサナ)+ゆらし
- 3:40–5:00 シャヴァーサナ短縮版(肩を床へ沈め、口角ゆるめる)
よくある質問
Q. 朝と夜、どちらが向いていますか?
A. 就寝前のクールダウンに取り入れるとリラックスに役立つ場合があります。朝は浅め+短めで様子を見てください。
Q. 腰が敏感でもできますか?
A. 支えを十分に使い、角度を小さくすれば快適さが増すことがあります。痛みが出る場合は中止してください。
Q. どのくらいの頻度で行えば良いですか?
A. 毎日でも構いません。まずは片側3〜5呼吸から、体調に合わせて調整を。
関連ポーズ(次に試したい)
- 両膝抱え(アパナーサナ)
- ワニのポーズ(ジャタラ・パリヴルタナーサナのバリエーション)
- ねじりの座位(マリーチアーサナCのやさしい形)
- チャイルドポーズ
- 橋のポーズ(ライト)
まとめ
仰向けのねじりは、形を深めるより「楽に呼吸できる配置」を最優先にするのがコツです。支えを活用し、痛みの手前で止めることで、心地よい解放感につながる場合があります。少しずつ、毎回の身体の声を聞きながら続けていきましょう。